愛宕山

愛宕山という山は全国にあるらしいが、東京の人は、東京タワーにもほど近い愛宕山を思い浮かべる人が多いのではないか。その愛宕山は標高25.7m。東京都で一番低い山としても有名だ。山というより、丘だね。同じ丘程度の山で桜の名所である飛鳥山を、国土地理院に「山と認めて地形図に記載してくれ。そうすれば東京一低い山になるから」と北区が申請して、「地図上に表記を増やす余地がないから」というゆるい理由で却下されたのは記憶に新しいところだ。

そして我が町石神井にも、愛宕山があった。ライフ石神井台店が出来る前にあった「愛宕橋ショッピングセンター」、そのすぐそばにある石神井川にかかる愛宕橋に名前をとどめるのみの「愛宕」だが、愛宕山はあったのだ、石神井に。正確には石神井台に。その愛宕山は、「江戸城を作った」でおなじみの太田道灌が、何の因果か石神井城のお殿様をやっつけるための拠点を築いた場所だそうだ。(お殿さまの娘が、石神井の姫、照姫。)

どこにあったかというと、どうも現在は早稲田大学高等学院早大学院)の敷地内になっているらしい。今日、早大学院に息子を通わせていて、その息子の保護者会に出るというお友達がいたので、便乗して(保護者に混じって)敷地内に入らせてもらい、中を散策させてもらった。

学校としては、「ここが太田道灌築城の地」みたいな碑はなく、記述も一切ないようなのだが、わたしなりにここがそこだと感じた場所の写真を撮ってみた。

なぜそう感じたかというと、ちょうどこのあたりが早大学院の敷地の北端であり、付近でもっとも高台になっているのと、「保護樹林」という札がついた大きな木があったから。その木以外にも、幹の太いいちょうの木やらがみしみし生えていたし。前に「石神井城跡」に期間限定で入ったときに感じた「跡地」感と似たようなものを感じたし。この一帯は、2年後に付属の中学校が建設される予定地なので、もしかしたら建設の過程で何か発掘されるかもしれない。